学校のホームページは、地域や保護者、入学を考える家庭に「私たちはこんな学校です」と伝えるパンフレットのような役割を果たします。
しかしながら、新しくホームページを立ち上げるには労力がいると感じている方が多いのではないでしょうか。
目的を決め、方法を選び、必要なページをそろえていくといった手順を踏めば心配はいりません。公開後も日々の更新を仕組み化すれば、学校の経歴として情報が集約されていきます。校内の雰囲気や子どもたちの活気を発信できるのは、先生方だからこそではないでしょうか。
この記事では、小学校・中学校・高校それぞれの視点、WordPressやノーコードなど作成方法の違い、必須コンテンツや公開までの道筋を分かりやすく紹介します。

学校のホームページが必要とされる理由

なぜ学校にホームページが欠かせないのかというと、学校は子どもたちの学びの場であると同時に、地域や保護者に向けた窓口でもあるからです。
学校と言っても小学校・中学校・高校、また公立・私立のように違いがありますが、「信頼」と「情報」がきちんと伝わるホームページにすることは共通して大事なポイントです。
小学校・中学校・高校に求められる役割
小学校は保護者へ向けた日々の連絡と安心感、中学校は部活動や進路など関心の幅が広がります。そして高校は在校生や受験生への情報提供と、学校に合わせて掲載すべき情報が変わってきます。
この他にも、例えば合唱に力を入れている学校や特定のスポーツで認知されている学校など、アピールポイントも異なります。自校に合わせたホームページを考えてみましょう。
公立学校に求められる役割
公立校では、まず保護者や地域への安心感づくりが大切になります。例えば急な休校のお知らせや行事の予定変更、給食献立の公開など。毎日の生活に直結する情報を、正確かつ早く届けられることが評価されます。加えて地域に開かれた学校づくりを進めるうえで、活動の様子や教育方針を透明に伝えることも重要です。広告的な華やかさよりも、信頼と公共性を優先する姿勢が求められます。
私立学校に求められる役割
一方、私立校では「選ばれる学校」であるための顔づくりが大きな役割になります。受験生や保護者に向け、教育理念や特色、部活動の実績、進学先といった魅力を積極的に発信することが必要です。さらに入学説明会や資料請求の導線を整えることで、入学希望者との接点を広げられます。写真や動画を活用し、雰囲気や活気を伝えることが、学校のブランド価値を高める一歩になるのです。
制作スケジュールと手順

制作の流れを決めておくと、どう進めればいいかや次になにをすべきかがわかって安心です。大まかに言えば「企画」「設計」「実装」「公開前チェック」、この4つを順に対応することで、きちんとしたホームページができあがります。
1. 企画と要件定義
最初のステップは「ホームページをなぜ作るのか、なぜ必要なのか」をはっきりさせ、誰に向けて情報を届けたいのか、優先すべき相手を決めること。ここでしっかり定義することで、掲載するコンテンツやページの構成がぶれません。
- 学校の雰囲気を「保護者」に届けたい
- 個別にお知らせしなくても「生徒」や「保護者」がホームページを見ればわかる連絡帳のようにしたい
- 部活動の実績をまとめて「地域の人」に届けたい
のように、洗い出してみるとさまざまな目的があがるでしょう。
あがったものに優先度をつけることで、掲載する情報の整理がしやすくなります。
あわせて体制づくりも重要です。記事を書く人、掲載内容を確認する人、作成ツールの準備や公開をする人、それぞれを決めておけば、忙しい時期でも更新が止まりにくくなります。
2. 情報設計を決める
次にホームページの構成を決めます。どんなページが必要か、トップページから何回クリック(タップ)すれば辿り着けるかを整理します。スマートフォンでの見やすさを前提に、メニューは5〜7項目に絞ると良いでしょう。
具体的な例は以降の「掲載すべき基本コンテンツ例」と「情報の配置を考えよう」の章で解説します。
3. 作成方法を決める
ホームページを作成する方法を決めます。詳しくは「作り方の選択肢と特徴」の章で後述しますが、大きく分けて、自分で作る方法と制作会社に委託する方法があります。
独自ドメインを設定する場合は、文字列やドメイン取得サービスも決める必要があります。
4. 実装とコンテンツ作成
選んだ作成方法に応じて、準備を進めていきます。
自分で作る方法を選んだ場合は、レンタルサーバーにWordPressをインストールしたり、使用するテーマを決めたり、取得した独自ドメインを設定したりと土台を整えていきます。
また、掲載する文章や写真などの要素を事前に用意しておくと、スムーズに作成できます。文章は短く分かりやすく、写真は明るいものを選び、個人が特定されすぎないよう注意します。
5. テストと公開準備
最後はPCとスマートフォン、タブレットなどさまざまな環境で表示を確認します。表示されていない画像はないか、リンク切れや誤字脱字がないかをチェックします。問い合わせフォームも実際に送信してみると安心です。
公開日が決まったら、保護者へのお知らせや校内のメールで周知しましょう。公開当日は軽微な修正にすぐ対応できる体制を用意しておくと安心です。
掲載すべき基本コンテンツ例

どんなにデザインが整っていても、必要な情報が揃っていなければ学校のホームページとして役割を果たせません。先ほどの章で洗い出した「誰が」「どんな場面で」使うかの視点からページを整理すると、迷わない構成になります。
在校生・保護者向けのページ
「お知らせ」「行事予定」「給食献立」「配布物ダウンロード」「欠席連絡の方法」など、日々の生活に直結する情報を集約します。「学年別のお便り」や「校時表」も加えるとさらに便利なページになるでしょう。更新はこまめに、掲載期限を意識すると「古い情報が残っている」状態を防げます。
保護者が困ったとき、学校のホームページを見ればわかる状態に整えておくことで、問い合わせる手間も、問い合わせを受ける手間も削減できます。
受験生・地域向けのページ
「入学案内」をはじめ、「学校紹介」「教育方針」「校長メッセージ」「施設案内」「部活動紹介」と私立校なら説明会や資料請求の導線、公立校なら地域交流や公開行事の情報も重要です。
アクセスページには地図と交通手段をセットにすることで、初めて学校に訪れる人も迷わずたどり着けるようになります。
続いては、学校別の視点で整理した項目を紹介します。
次でピックアップしたコンテンツに自校の特色を加味することで、よりオリジナリティのあるページになります。
小学校のホームページで重視すべき項目
小学校では次の軸を考慮して洗い出すと良いでしょう。
「保護者が毎日チェックする場所」であることを意識しつつ、子どもと一緒に見てもわかるよう、写真や図を多めにすると親切です。
| 保護者への日常連絡の窓口 | 「欠席連絡」「下校時刻」「持ち物リスト」「給食献立」「行事ごとの準備物」など、日々の生活に直結する情報をわかりやすく提供します |
| 安心感の提供 | 「安全情報」「災害時の対応」「登下校の注意点」などを掲載し、保護者の不安を解消します |
| 学校の雰囲気の紹介 | 行事や児童の活動を写真や文章で伝え、学校生活の様子を地域にも共有するほか、「学年だより」を閲覧できるようにするとプリントでの配布の手間が省けます |
「持ち物リスト」や「行事ごとの準備物」は生徒へとプリントで配布すると、保護者まで渡っていなかったというケースもあります。あらかじめホームページに掲載しておけば喜ばれるでしょう。
また「通学路の案内」があれば、入学や学区内への引越しを控えたご家庭にも役立つかもしれません。
この他、学校内で学童保育(放課後児童クラブ)も行っている場合には、応募方法や預かり時間、食事やおやつに関する説明ページもあると安心です。
中学校のホームページで重視すべき項目
中学校になると生徒本人が閲覧するケースも増え、情報の幅が広がります。
また保護者や地域の方に向けても、大会や行事の速報をタイムリーに載せると、学校全体の活気を伝えられるでしょう。
| 在校生と保護者への情報提供 | 「行事予定」「試験日程」「部活動の活動紹介と実績」「進路説明会の案内」など、必要な情報をわかりやすく掲載します |
| 生徒本人にとっての情報源 | 「部活動紹介」や「生徒会の活動報告」「校則」「スマートフォンのルール」など、生徒自身が必要とする情報を提示します |
| 進路に関する広報 | 「高校進学実績」や「進路指導方針」を示し、保護者・生徒の将来設計に役立てます |
| 学校の活気を発信 | 「行事の速報」や「大会結果」など、学校の魅力を外部に広く伝えます |
部活動が活発な学校は、部ごとのページを用意し、それぞれの部員や保護者が確認できるようにすると迷わずに閲覧できたり、ブックマークしたりできるようになります。
高校のホームページで重視すべき項目
高校は、在校生にとどまらず受験生やその保護者も見にきます。
ホームページに掲載されている情報が、志望校を決める材料にもなることもあるでしょう。
| 受験生向けの広報の拠点 | 「教育理念」「カリキュラム」「部活動紹介」「大学進学実績」「入試要項」など、受験生や保護者に学校の魅力を伝えます |
| 在校生への情報の提供 | 「時間割変更」「試験日程」「行事予定」「就職・進学ガイダンス」などを適切に案内します |
| ブランドイメージの発信 | 学校の特色や強みを打ち出し、地域や社会にアピールします。特に私立高校ではパンフレットや動画との連携で「選ばれる学校」としての顔を持ちます |
| 同窓会や卒業生ネットワークの窓口 | 「卒業生の進路や活躍」を紹介し、在校生の目標づくりや学校全体の信頼向上に役立てます |
高校のホームページになると、卒業生・OC紹介などのタイトルで、インタビューや卒業後の活躍を載せているケースも見受けられます。
情報の配置を考えよう

掲載するコンテンツが決まったら、次はどのように配置するかを考えます。
スマートフォンでのアクセスを想定して情報や表示の見やすさを考慮する必要があります。
ここでは小学校のホームページを例に考えた配置を紹介します。
| 内容 | 掲載する場所 | 掲載内容例 |
|---|---|---|
| 学校紹介 | トップページ/ページを作ってトップページからリンクする | 住所/電話番号/沿革/教育目標/校章について/校歌紹介/学校評価書/通学区域 |
| お知らせ | ページを作ってトップページからリンクする | 学校だより/保健だより/給食だより/PTAからのお知らせ |
| 年間行事 | ページを作ってトップページからリンクする | 行事案内/行事ごとの持ち物リスト/保護者の参加要不要 |
| 学校生活の様子 | ページを作ってトップページからリンクする | 写真 |
| 保護者向けのページ | ページを作ってトップページからリンクする(必要に応じてパスワードをかけたページにする) | 登下校時刻/通学路の案内/学童保育の案内 |
| アクセス | ページを作ってトップページからリンクする | 地図/交通手段 |
お知らせとひとことで言っても、学校からのお知らせは多岐にわたります。プリントなら1枚1枚配布する形になりますが、ホームページなら集約でき、さらに学校の歴史として残せるメリットがあります。
作り方の選択肢と特徴
どんな方法でホームページをつくるかの選択が、公開までのスピードも運用のしやすさも左右します。大きく分けると「自分で作る方法」と「制作会社に委託する方法」の2つの中で、さらにいくつかのパターンがあります。
次に紹介する中から学校の状況や予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
1. 自分で作る場合
自由度が高く、費用を抑えられるのが「レンタルサーバー+WordPress」で作成する方法です。レンタルサーバーを契約し、WordPressをインストールしてテーマを選べば、ブログを書く感覚で更新しやすい環境が整います。
更新作業は自分たちで対応する必要がある反面、コスト削減につながります。校内に数人でもITに明るい先生がいれば、十分運用が可能です。
なお、WordPressのインストールは簡単に行える機能を用意しているサービスが多いです。
▼参考
ロリポップ!レンタルサーバー WordPress簡単インストールの利用方法
ノーコードサービスを使う場合
ノーコードツールを使えば、テンプレートにそって文章や写真を入れるだけで形になり、専門知識がなくても始められるのが魅力です。ただし、プランによっては広告が表示されたり、独自ドメインや細かいデザインは設定できないということも。契約前に、希望する運用が可能か調べておきましょう。
2. 制作会社に委託する場合
デザイン性や機能を重視したいなら制作会社に依頼する方法が安心です。初期費用は数十万から、規模によっては百万円単位になることもあるため、予算との調整が必要です。
委託する際のポイントは、公開後の更新をどうするかを必ず確認しておくこと。毎回依頼するとなると費用が膨らむので、WordPressなどを導入した構築を依頼し、校内で日常更新できる形にしてもらうのがおすすめです。
構築のみを依頼する方法
制作会社には基本デザインと構築のみを依頼し、日々のお知らせ更新は校内で行うスタイルも可能です。初期の負担を減らしつつ、運用コストを抑えることができます。制作会社からの引き継ぎ時に操作マニュアルや更新フローをしっかりもらっておくと、安心してスタートできます。
法的な配慮と安全性の確保

学校のホームページを安心して運営するためにはずせないのが「法的な配慮」と「安全性の確保」です。見栄えや情報量に気を取られがちですが、校内での認識を合わせておくと後々のトラブルを防げます。
写真・個人情報の扱い
子どもたちの写真は学校の雰囲気を伝える大切な素材ですが、公開には必ず保護者の同意が必要です。年度はじめに同意書を取り、掲載範囲や使用目的を明確にしておきましょう。
集合写真は背中を向けているものや顔が小さく映るものを選ぶ、名札や住所がわかるものは避けるなど配慮することでリスクを下げられます。
関係者のみアクセスできるよう配慮
ホームページは不特定多数が閲覧できるものです。関係者のみに伝えたい情報はパスワード付きのページを用意し、特定の人しかアクセスできないようにする配慮も必要です。なお、WordPressで作成する場合は、プラグインを使用することでパスワード付きのページの作成が可能です。
くわえて、パスワードは定期的に変更するなどセキュリティを意識した対応が必要になります。
問い合わせフォームと個人情報保護
問い合わせフォームは便利ですが、個人情報を扱う以上、慎重さが求められます。入力項目は名前と連絡先、用件程度に絞ると良いでしょう。取得したデータは安全に保管し、保管期限を設けるなど長期間残さない運用を徹底しましょう。あわせて、ホームページ上にプライバシーポリシーを載せておくと安心感が増します。
取得したデータを学校外に持ち出すのはもってのほかです。
サイトセキュリティの基本
WordPressはアップデートをする必要があるツールです。WordPressを使用する場合は、本体とプラグインを常に最新にしておきましょう。不要な機能は削除し、ログインには強力なパスワードと二段階認証を導入しましょう。
定期的なバックアップも忘れずにとっておけば、仮に不具合が起きても復元でき、慌てずにすみます。
バックアップ機能を備えているレンタルサーバーサービスもありますので、作成方法を決める際の検討事項に含めておくと良いでしょう。
公開後の運用と改善

ホームページは公開後も情報が更新され続けてこそ「見てもらえるホームページ」になります。更新体制を整え、検索で見つかりやすくし、数字を手掛かりに改善するための具体的な方法を解説します。
1. 更新を続ける仕組み化
ホームページを公開したときは勢いがあっても、学期が進むにつれて更新が止まっていくケースがあります。これを防ぐために役割を明確に分けることが効果的です。記事を書く人、内容を確認する人、公開する人というように分担することで、負担が軽くなります。
加えて、週に一度または月に一度のペースで更新スケジュールを決めておくと、無理なく継続できる体制づくりが可能になります。
2. SEOと検索に強い工夫
学校名や地域名で検索したときに、ホームページが検索結果に表示されるようにしておきましょう。次の項目を意識するだけでも検索の精度が上がる可能性があります。
- 学校名の略称がある場合は、正式名称と略称をあわせてページに記載する
- 所在地の市区町村名を加える
- タイトルや見出しに「学校名+地域」を入れる
アクセスページには地図と交通手段を掲載し、検索エンジンに正しく伝わるよう整えておくことも大切です。
3. アクセス解析での改善
Googleが提供するツール「Googleアナリティクス(GA4)」や「Search Console(サーチコンソール)」を活用すると、訪問者がどんなページを見ているかがわかるようになります。
「どのページを見られているか」「どのページが見られていないか」がわかったら、例えば次のような改善を行うことができます。
- 「給食だより(献立表)」がよく見られているなら、トップからアクセスできるようにリンクを置く
- 検索結果で表示されているのにクリックされていないページがあれば、タイトルや冒頭文を調整してみる
これらのツールを活用することは、見やすく便利なホームページに育てる近道になります。
しかしながら本記事をご覧の方の中には、ツールの使い方がわからない方もいるかもしれません。ネット上には「Googleアナリティクス」や「Search Console」の利用方法を解説しているページがたくさんありますので、少しずつ知識をつけるくらいのペースではじめてみると良いでしょう。
数年後のホームページを見越して設計しよう

学校のホームページは長く運用することで歴史がたまっていくメリットがある反面、長くなればなるほど情報が煩雑になりがちです。数年後を見越した設計をすることで、管理しやすく見やすくなります。
URL設計とデータ管理
ページのURLはシンプルに、そして規則性を持たせましょう。例として「/news」「/event」「/school-info」など、誰が見ても意味がわかる形にしておくと後の管理が楽になります。
ファイル名も、年度や日付、内容を含めた名称にすることで、ホームページの担当者が変わっても情報が探しやすくなります。
これらはガイドライン化し、ホームページ運営に関わる人が誰でも見られる状態に整えておきましょう。
コンテンツの棚卸しと統廃合
年数を重ねれば情報は増える一方になり、古い記事やページが重複して見にくくなっていきます。
そこで年度末などに「残す・修正する・削除する」に振り分け棚卸しをするのがおすすめです。古い行事案内や過去の入試要項はアーカイブとしてまとめ、最新情報だけを目立つ場所に置くなど、見る人が迷わないようにすることで長く活用できるページになります。
まとめ
学校のホームページづくりは、一見ハードルが高そうに感じられますが、目的を明確にし、作り方を選び、必要なコンテンツを揃えるといった流れをおさえれば難しいものではありません。
公開後も更新を続け、改善を積み重ねるといったサイクルを整えれば、自然と「信頼される学校ホームページ」へと育っていきます。
小学校・中学校・高校など学校によって求められる情報は違いますが、共通して大切なのは「見る人が迷わず欲しい情報にたどり着けること」です。
技術やデザインも大切ですが、ホームページが力を発揮するのは運用の仕組みと日々の小さな更新になります。保護者にも地域の人にも活用いただけるホームページを、ロリポップで作ってみませんか。



