WordPressは世界中でもっとも利用されているCMS(コンテンツ管理システム)であり、その使いやすさや豊富なプラグインから、多くのサイト運営者が選択しています。
一方で「WordPressを使えば自動的にSEO(検索エンジン最適化)がうまくいく」と思われがちですが、実際には基本的な設定や日々の運用が欠かせません。
本記事では、初心者の方を対象に、WordPressで行うSEOのポイントや手順をわかりやすく解説します。
これからWordPressサイトを立ち上げる方や、既存サイトのSEOを強化したい方はぜひ参考にしてください。

WordPressがSEOに強いといわれる理由
WordPressは、コアのソースコードやテーマが検索エンジンに最適化しやすい構造で作られている点が大きな特徴です。プラグインを利用することで、専門的なコードをいじらなくてもSEOに欠かせない機能を実装できます。
- テーマが豊富
SEO対応済みのテーマが多く、選ぶだけで基本的な施策が整います。 - プラグインが充実
All in One SEOやYoast SEOなどのSEOプラグインが、多くの設定を自動化・補助してくれます。 - 更新・運用のしやすさ
記事の投稿や修正が容易で、コンテンツを継続的に増やしやすいつくりになっています。
これらの利点を踏まえつつ、自分のサイトにあった施策を丁寧に設定・運用していくことが重要です。
初心者が押さえておきたいWordPressの初期設定
1.パーマリンク設定
WordPressでは、投稿ページや固定ページのURL(パーマリンク)を自由に変更できます。適切なパーマリンクにすることで、検索エンジンやユーザーにとってわかりやすいURLとなり、SEOの観点でも有利になります。
- おすすめの設定
投稿名やカテゴリを含むカスタム構造 - 設定方法
WordPress管理画面の「設定」→「パーマリンク設定」から変更が可能
/%category%/%postname%/
カテゴリと記事タイトルを含む形にすると、URLから記事の内容が推測しやすくなります。

2. 一般設定と検索エンジンの可視性
WordPressインストール直後に見落としがちなのが、「検索エンジンがサイトをインデックスすることを許可するか」のチェック欄です。
これは「設定」→「表示設定」の下部にある「検索エンジンでの表示」の項目で、ここがオフになっているとサイトが検索結果に表示されないことがあります。公開サイトを運営する場合は、必ずチェックを外しておきましょう。

3. SEOプラグイン活用
WordPressでSEOを行う際、プラグインは欠かせません。代表的なプラグインとして以下のものが挙げられます。
- Yoast SEO
- 設定ウィザードがあり、初心者でも必要な項目をスムーズに設定
- タイトルタグやメタディスクリプションの設定が簡単
- All in One SEO
- 日本語のドキュメントやサポート
- 基本的なSEO設定を一括で行えるため、WordPressを初めて扱う人にも優しい
- Rank Math
- 無料版でも機能が豊富
- スキーマ(構造化データ)の設定や404モニター、リダイレクト管理などが簡単
プラグインを導入すると、タイトルやメタディスクリプションの編集が手軽になるほか、XMLサイトマップの自動生成やソーシャルメディア連携など、多岐にわたるSEO機能が利用できます。
なお、複数のSEOプラグインを入れると設定が競合したり不必要な負荷がかかったりする可能性があるため、注意しましょう。
4. コンテンツSEOの基本:質の高い記事作り
ここでいう「質の高い記事」は、検索エンジンとユーザーの両方にとって価値のある情報のことを指します。ユーザーの検索意図を満たすコンテンツ、記事の作り方の一例として次の対応をご検討ください。
キーワードの選定
記事を作る際には、まずは狙うキーワードを明確にすることが重要です。
例えば、あなたのサイトが初心者向けの料理教室ならば「料理教室 初心者」「料理教室 地域名◯◯」、オンライン料理教室なら「料理教室 オンライン」「料理教室 動画」などユーザーが検索しそうな言葉をリストアップしてみましょう。
- キーワードの探し方
検索エンジンのサジェスト機能やキーワードプランナーなどを活用 - ニーズに合わせたキーワード選定
自分が書ける内容とユーザーのニーズが合致したキーワードを優先
タイトルと見出しの付け方
記事タイトルや見出し(h1, h2, h3など)には、狙いたいキーワードを適度に含めると効果的です。ただし、やみくもにキーワードを詰め込むのは逆効果なので注意してください。
- 自然に読める形でキーワードを配置
- h2やh3にも意図的にキーワードを含める
ユーザーの疑問を解決するコンテンツ
検索エンジンは「ユーザーの問題を解決するコンテンツ」を高く評価します。キーワードを検索するユーザーに役立つであろう、具体的な情報やオリジナルのコンテンツを求めています。
- 詳しい手順や画像を添える
- FAQ形式でよくある質問に答える
想定した読者の疑問を先回りして解決する形で記事を構成すると、滞在時間が長くなり、自然と検索エンジンの評価が上がりやすくなります。
5.サイト内部対策(内部リンクやカテゴリー整理など)
サイト内部対策とは、検索エンジンとユーザーの双方にとってウェブサイトの構造やコンテンツを最適化し、評価を高めるための施策です。
検索エンジンとユーザーにとって、ウェブサイトを分かりやすくするために、次の対応を検討しましょう。
内部リンク
同じサイト内で関連記事を相互にリンクすることで、検索エンジンにサイト全体の構造を正しく伝えることができます。さらに、読者が他の記事に興味を持って移動しやすくなるため、サイト滞在時間が長くなるメリットもあります。
- 関連記事への誘導
記事の最後や途中に自然な形でリンクを設置 - カテゴリーページやタグページの最適化
整理しすぎない・増やしすぎないバランスが大事
カテゴリやタグの設定
カテゴリやタグは、適切に設定しないとサイト内が混乱してしまいます。
- カテゴリは大分類、タグは細かい分類
- 記事数や内容に応じて適度に絞り込み、使いすぎない
タグを増やしすぎると、内容が重複するページが量産され、かえってSEOを阻害する場合があります。
6. サイト外部対策とSNS活用
外部リンク(被リンク)
他サイトからリンクを獲得すると、検索エンジンは「信頼されているサイト」と認識しやすくなります。被リンクを自然に増やすためには、魅力的で有益なコンテンツ作りが欠かせません。
- 良質な記事を公開して、共有したくなる情報を提供
- SNSやコミュニティでの拡散を促す
SNSの活用
特に初期段階では、自分のウェブサイトを認知してもらうためにはSNSを活用するのがおすすめです。X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどで記事をシェアし、アクセスを集めることで、結果的に検索エンジンからの評価も高まることがあります。
ただし、SNSの投稿によるリンクでは、被リンクとしての評価に効果を及ぼすことはないといわれています。
あくまで、SNSのシェアによって認知されることでアクセス数の増加につながる、それをきっかけに被リンクにつながる、といった間接的な効果が期待されるという意味合いです。
7. 技術的なSEO(サイトスピードやモバイル対応など)
技術的なSEO(テクニカルSEO)とは、ウェブサイトの技術的な側面を最適化し、検索エンジンがウェブサイトを効率的にクロール(巡回)し、インデックス(データベースに登録)できるようにする施策のことをいいます。
検索エンジンがウェブサイトを正しく認識し評価するため、ユーザーエクスペリエンス(ウェブサイトを訪れた人が感じる使いやすさや満足度のこと)向上のため、次の対応を検討しましょう。
サイト表示速度の改善
ページの読み込み速度は、ユーザーの離脱率や検索順位に影響します。
- 画像の最適化:大きな画像ファイルを圧縮して軽量化
- キャッシュプラグインの活用:W3 Total CacheやWP Super Cacheなど
- 不要なプラグインを削減:使っていないプラグインは削除
モバイルフレンドリー
スマートフォンからのアクセスが主流となった今、モバイル対応は必須です。モバイルフレンドリーなテーマを選ぶか、レスポンシブデザインを導入しましょう。
セキュリティ対策
SEOと直接的に関連しないように見えますが、サイトがハッキングされて検索エンジンに警告を出された場合、検索結果から大幅に順位を下げられることも。
- WordPress本体・プラグイン・テーマを最新版に保つ
- セキュリティ系プラグイン(Wordfenceなど)の利用も検討
8. 継続こそ最大のSEO
SEOは、一度設定して終わりではありません。検索エンジンのアルゴリズム更新や競合サイトの動向を確認しながら、継続的にコンテンツを更新・追加し、サイトを改善していく姿勢が大切です。
- アクセス解析(Google Analytics)で効果を測定
- サーチコンソールでインデックス状況やエラーをチェック
- 古い記事のリライトや加筆修正
情報のアップデートで検索エンジンの評価が上がるケースも多い
まとめ
WordPressはもともとSEOに強いCMSとして知られていますが、基本的な設定やプラグイン活用、そして何よりも質の高いコンテンツの継続的な発信がなければ、そのメリットを十分に活かせません。
初心者の方は、まずは以下のステップから取り組んでみましょう。
- WordPressの初期設定を見直す(パーマリンクや検索エンジン表示の確認など)
- SEOプラグインを導入して、タイトル・メタディスクリプションを最適化
- キーワード選定や見出しを意識しながら、ユーザーの疑問を解決できるコンテンツを作成
- 内部リンク・外部リンク、SNS活用でサイト全体の評価を高める
- サイトスピードやセキュリティ面の改善も忘れずに行う
- アクセス解析を実施し、定期的にリライトや記事追加を行う
これらの施策を地道に続けることで、着実に検索順位が上がり、より多くのユーザーにあなたのサイトを知ってもらうことにつながります。
まずはできるところから一つずつ着手し、WordPressならではの強みを最大限に活かしたSEOを実現してみてください。