WordPressで初めて複数サイトを運営する場合、構築方法やコスト・管理の手間がわからない方も多いはずです。
複数サイトを構築する方法は新規ドメイン・サブドメイン・サブディレクトリの3つがあり、また運営方法もマルチサイト・個別管理で分かれています。
本記事では、各方法のメリット・デメリットを比較し、運営スタイルに最適な選択肢を解説します。
コストを抑えつつ効率的に2つ目のサイトを管理する方法や判断基準をわかりやすく紹介しているので、複数サイトの構築を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
WordPressで2つ目のサイトを作成する方法3選
WordPressで2つ目のサイトを構築する方法は以下の3つで、それぞれメリット・デメリットがあります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 新規ドメイン作成 | サイトのテーマを自由に決められる | 新たなドメイン代がかかる |
| サブドメイン作成 | 追加の費用がかからない | メインドメインが使えなくなると、サブドメインも使用不可になる |
| サブディレクトリ作成 | SEO評価を引き継げる | コンテンツの重複が起こりやすい |
各方法について解説していきます。
1. 新規ドメインを作成する
新規ドメインを作成すると、既存のサイトとは別の独立したサイトを構築できます。現在運営しているサイトのテーマに関係なく、異なったジャンルのサイトを自由に始められる点がメリットです。
例えば、ガーデニングサイトを運営する方が、まったく別ジャンルの転職情報サイトを作るといったケースなどが該当します。
ただし、新規ドメイン購入費用として年間1,000円前後のコストが継続的に必要になり、また検索エンジンからの評価も最初からの積み上げになるため、アクセスが集まるまで相応の時間が必要です。
まったく異なる分野で独立性の高いサイトを運営したい方に適した選択肢です。
2. サブドメインを作成する
サブドメインを作成すると、メインサイトとのつながりを維持したままでサイトを増やせます。
メインドメインの頭に任意の文字を付け足す形になり、例えばメインドメインが「ccddee.co.jp」の場合、サブドメインは以下のような形式となります。
- 例：aabb.ccddee.co.jp
独立したサイトとして扱われながらも追加のドメイン費用が不要で、メインサイトが築いてきた認知度を活かせるメリットがあります。
注意点として、メインドメインが使えなくなれば、サブドメインも連動して利用できなくなってしまいます。
コストを抑えつつ、メインサイトのブランド力を借りて新サイトを始めたい場合に向く手法です。
3. サブディレクトリで作成する
サブディレクトリを作成すると、メインサイトの信頼性やSEO評価を活かしたサイトを増やせます。
現在のサイトURLの末尾にパスを追加する形になり、メインドメインが「ccddee.co.jp」の場合、サブディレクトリは以下のような形式となります。
- 例：ccddee.co.jp/aabb/
サブディレクトリの場合、検索エンジンは親サイトの延長として捉えるため、2つ目のサイトの立ち上げ初期から一定数の検索流入が期待できる点がメリットです。
一方で、親サイトが悪いSEO評価を受けていると、新規サイトにも影響を及ぼします。
加えて、複数サイト内で似た内容の記事が増えることでサイトの質が落ち、かえって検索順位を下げるリスクもあります。
既存サイトと関連の深い分野で、カテゴリーを細分化したいときに効果的な方法です。
以下の記事では、ドメイン・サブドメイン・サブディレクトリについての詳細と使い分け方を解説しているため、WordPressで2つ目のサイト構築手法に迷う方は参考にしてください。
Webサイトを作るときに欠かせない「ドメイン」ですが「○○○.exsample.com」といったURLを目にしたことはありませんか。これは「サブドメイン」と言われますが、ドメインとサブドメインの違いはご存知でしょうか。本記[…]
WordPressにおける複数サイトの管理・運営方法
WordPressで複数のサイトを運営する方法は以下の2種類です。
- マルチサイト機能
- 個別サイト管理
マルチサイト化は、1つのWordPressで複数サイトをまとめて管理できる機能です。ただし設定には専門知識が求められるため、WordPress初心者には難易度が高いといえます。
一方、個別サイト管理は、運営したいサイトの数だけWordPressを別々にインストールして、それぞれ独立したサイトとして扱う方法です。
以下の章でそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
マルチサイトで運営するメリット
マルチサイトで運営するメリットは以下の3つです。
- 2つのサイトを一括管理できる
- サーバー容量を節約できる
- テーマやプラグインを一括管理できる
マルチサイト機能を使うと、管理の手間を大幅に削減しながら効率的に複数サイトを運営できます。本章では各メリットの詳細について解説していきます。
2つのサイトを一括管理できる
マルチサイト機能を有効にすることで、1つのWordPress環境から複数のサイトをまとめて操作できます。
通常、サイトごとに別々の管理画面にログインして作業する必要がありますが、マルチサイトなら1つの管理画面で全サイトの設定や更新が可能です。
2つ目のサイトを運営している場合でも、それぞれにログインして同じ作業を繰り返す手間が省けます。
また、ユーザー管理も一元化できるため、複数サイトで記事執筆を外注する際も、アカウントを1つ作成するだけで済みます。
サイト数が増えるほど管理の負担が軽くなるため、運営効率は格段に向上するでしょう。
サーバー容量を節約できる
マルチサイトは、サーバーの容量を効率よく使用できる大きなメリットがあります。複数のサイトを1つのWordPressで動かすため、個別にWordPressをインストールする必要がありません。
通常の個別サイト管理では、サイト1つにつき約50MB程度のWordPressファイルが必要になるため、5つのサイトを運営すれば5倍の容量を消費します。
しかし、マルチサイト化すれば1つ分の容量で済むため、レンタルサーバーの容量が限られている場合や、コストを抑えたい方にとって最適な管理方法といえます。
空いた容量は画像ファイルやバックアップデータの保存に活用できるため、より柔軟なサイト運営が可能になるでしょう。
テーマやプラグインを一括管理できる
マルチサイトでは、WordPress本体やプラグインのアップデートを一括で実行できます。
個別サイト管理の場合、各サイトにログインして更新作業を繰り返す必要がありますが、マルチサイトなら数回のクリックで全サイトの更新が完了します。
また、1つのテーマを全サイトの親テーマとして設定するため、同じテーマファイルを何度もインストールする手間がかかりません。
セキュリティアップデートも一括で全サイトに適用されるため、脆弱性への対応も迅速に行えます。
マルチサイト化することで、管理コストを抑えながら安全なサイト運営を続けられる点が大きなメリットです。
マルチサイトで運営するデメリット
マルチサイトで運営するデメリットは以下の3つです。
- サーバーの負荷が増える
- テーマやプラグインに制限がある
- サイトの移行や売却が困難になる
マルチサイトには便利な面がある一方で、上記のような運営上の制約やリスクも存在します。本章では、導入前に把握しておくべきデメリットの詳細を解説します。
サーバーの負荷が増える
マルチサイトでは、サイト数が増えたり各サイトへのアクセスが集中したりすると、サーバーへの負荷が増えやすいデメリットがあります。
例えば、5つのサイトのうち1つが急激にアクセス数を伸ばした場合、他の4つのサイトも表示速度が遅くなる可能性があるということです。
さらに、1つのサイトでシステムエラーやサーバートラブルが起きた際、ネットワーク内の全サイトが同時にダウンしてしまいます。
個別サイトの場合は1つのサイト内でのトラブルで済むところが、マルチサイトではすべてに影響を及ぼしてしまう点が大きなデメリットです。
テーマやプラグインに制限がある
WordPressに導入できるテーマやプラグインの中には、マルチサイトに対応していない場合があり、不具合を起こすケースがあります。
また、マルチサイトは基本的に1つのテーマを全サイトで使用する設計になっています。
子テーマでも程度のカスタマイズは可能ですが、サイトごとにまったく異なるデザインや機能を実装するのは困難です。
個別サイトでは自由に選べるテーマやプラグインが、マルチサイトでは選べないこともあるため、柔軟なカスタマイズを重視する方には大きなデメリットとなります。
サイトの移行や売却が困難になる
マルチサイトは、運営しているサイトの内1つを売却したい場合や、別のサーバーに移転したい場合に対応できない可能性が高いです。
すべてのサイトがデータベースやファイルを共有しているため、1つのサイトを分離するには専門的な知識と手間が必要になります。
個別サイトであれば、該当サイトのファイルとデータベースを移すだけで完了しますが、マルチサイトでは困難です。
将来的にサイトを資産として売却する可能性がある方は、事前に把握しておくべきデメリットです。
WordPressでマルチサイトを構築する方法
本章では、WordPressでマルチサイトを構築する方法を解説します。
マルチサイトを有効化するには、設定ファイルの編集やネットワーク設定が必要です。初めてマルチサイトを構築する方は、以下の手順に沿って進めてみましょう。
1. wp-config.phpファイルにマルチサイト許可の記述を追加する
マルチサイト機能を使うには、まずwp-config.phpファイルを編集します。
ファイルはサーバー上のWordPressインストールフォルダー内にあり、FTPソフトやレンタルサーバーのファイルマネージャーでアクセスできます。
ファイルをダウンロード後、テキストエディタで開き「編集が必要なのはここまでです」という行の直前に以下のコードを追記しましょう。
/ * Multisite * /
define( ‘WP_ALLOW_MULTISITE’, true );
1行目はメモ用のコメント、2行目がマルチサイトを許可する設定です。追記後はファイルを上書き保存し、サーバーにアップロードしてください。
2. WordPress管理画面でネットワーク設定を実施する
wp-config.phpの編集が正しくできていれば、WordPress管理画面の「ツール」メニューに「サイトネットワークの設置」という項目が追加されます。
サイトネットワークの設定を選択すると設定画面が開き、マルチサイトの形式を「サブディレクトリ形式」か「サブドメイン形式」から選べるようになります。
サイトネットワーク名と管理者メールアドレスを確認後、「インストール」を押しましょう。
3. 表示されたコードをwp-config.phpに追記する
インストールボタンを押すと、追加で編集が必要な内容が表示されます。
1つ目の手順に表示されているコードをすべてコピーし、再びwp-config.phpファイルを開きましょう。
先ほど追加した「define( ‘WP_ALLOW_MULTISITE’, true );」の行と「編集が必要なのはここまでです」の行の間に貼り付けます。
表示されるコードは環境や選択した形式によって異なるため、画面に表示された内容をコピーしてください。編集後は、ファイルを保存してアップロードしましょう。
4. .htaccessファイルに追記する
案内画面の2つ目に表示されているコードをコピーし、wp-config.phpと同じフォルダーにある.htaccessファイルに貼り付けます。
すでにWordPressの設定が書き込まれている場合は、該当箇所を新しいコードで置き換えましょう。
.htaccessファイルが存在しない場合は、新規作成して保存します。
なお、ファイル名が「.（ドット）」で始まるものは不可視ファイルと呼ばれ、パソコン上で見えなくなることがあります。
万が一ファイルが見えない場合は、FTPでダウンロードした際に一時的に名前を変更し、アップロード後に元の名前に戻しましょう。
5. WordPress管理画面に再ログインして設定を反映させる
2つのファイル編集がすべて完了したら、WordPress管理画面から一度ログアウトして再度ログインします。
再ログイン後、画面左上に「参加サイト」という新しいメニューが表示されていれば、マルチサイトのネットワーク設定が正常に完了した証拠です。
6. サイトネットワーク管理画面から新規サイトを追加する
画面左上の「参加サイト」メニューから「サイトネットワーク管理」→「サイト」と進むと、現在登録されているサイトの一覧が表示されます。
設定直後は元のサイト1つだけが表示されている状態です。新しいサイトを追加するには「新規作成」ボタンをクリックします。サイト追加画面では、以下の項目を入力しましょう。
- URL（サブディレクトリまたはサブドメイン部分）
- サイトのタイトル
- 管理者のメールアドレス
入力後は「サイトを追加」ボタンを押せば完了です。
なお、自身が管理者になる場合は現在ログイン中のユーザーのメールアドレスを入力しましょう。
7. 追加したサイトを確認して管理画面を切り替える
サイトの追加が完了すると「サイトを追加しました」というメッセージが表示されます。
再び「参加サイト」メニューから「サイトネットワーク管理」→「サイト」と進むと、先ほど追加したサイトが一覧に表示されていることが確認できます。
また、「参加サイト」メニュー内にも新しいサイト名が追加されており、メニューから管理したいサイトの選択が可能です。
個別サイトで管理・運営するメリット
個別サイトでの運営は、各サイトが独立しているため安定性とカスタマイズ性に優れています。主なメリットは以下の3つです。
- 全サイトが一斉に障害を受けることがない
- カスタマイズの柔軟性が高い
- サイトの移行がしやすい
各メリットの詳細を解説していきます。
全サイトが一斉に障害を受けることがない
個別サイトでは、それぞれのサイトが独立して動いているため、1つのサイトにトラブルが起きても他のサイトには影響しません。
マルチサイトの場合、1つのトラブルがすべてのサイトを巻き込んでしまいますが、個別サイトなら被害を最小限に抑えられます。
すべてのサイトが同時停止するリスクを避けられるため、リスク分散の観点から、安定的な運営を重視する方に適した方法といえます。
カスタマイズの柔軟性が高い
個別サイトでは、サイトごとに異なるテーマやプラグインを自由に選択できます。プラグインについても同様に、サイトの目的に応じて使い分けられます。
マルチサイトのように互換性に注意する必要がなく、それぞれのサイトで最新機能を試すことも容易なため、デザインや機能にこだわりたい方にとって理想的な運営方法です。
サイトのデザインを新しくしたい、もしくはデザインが定まらない方には、ホームページテンプレートの活用もおすすめです。
以下の記事でホームページテンプレートのメリットや選び方を解説しているため、参考にしてください。
「自分でホームページを作るには？」「なにから始めればいいのか分からない」そんな個人ユーザーや小規模店舗のオーナー、中小企業の担当者の方におすすめなのがホームページテンプレートの活用です。ホームページテンプレートを使えば、専門的な知[…]
サイトの移行がしやすい
個別サイトは、それぞれが完全に独立した状態で運営されているため、特定のサイトだけを別のサーバーに移す作業が簡単に行えます。
そのため、将来的にサイトを売却したい場合でも、該当サイトのみをスムーズに引き渡せます。マルチサイトのように複雑な分離作業が不要なため、技術的なハードルが低い点も魅力です。
サイトを資産として育て、最終的には売却を視野に入れている方や、サーバーの乗り換えを柔軟に行いたい方に向いています。
個別サイトで管理・運営するデメリット
個別サイト運営における主なデメリットは以下3つです。
- 更新作業に時間がかかる
- 費用が増える可能性がある
- 管理が煩雑になりやすい
個別サイトでの運営は自由度が高い反面、サイト数が増えることによって管理にかかる時間やコストが増大する傾向があります。デメリットもよく理解したうえで、運営方法を選びましょう。
更新作業に時間がかかる
個別サイトでは、WordPress本体やプラグインの更新をサイトごとに実施しなければなりません。
つまり、2つのサイトを運営している場合、それぞれの管理画面にログインして同じ更新作業を2回繰り返す必要があります。
セキュリティアップデートが公開された際も、すべてのサイトで個別に対応しなければならず、対応漏れのリスクも高まります。
マルチサイトであれば数分で完了する作業が、個別サイトでは数十分かかることも珍しくありません。サイト数が増えるほど、更新作業だけで膨大な時間を消費してしまいます。
費用が増える可能性がある
個別サイトの場合、プラグインによっては1サイトごとに料金が発生するケースがあります。サイトの数だけ料金が増えていってしまう点は、コスト管理の点では大きなデメリットです。
マルチサイトであれば1つのライセンスで複数サイトに適用できるプラグインも多く、コストを大幅に抑えられます。
また、サイトごとに異なるテーマを購入する場合も同様に、サイト数が多いほど費用が増えてしまいます。
複数の有料ツールを活用したい場合、個別サイトではマルチサイトと比べて費用負担が大きくなる点に注意が必要です。
管理が煩雑になりやすい
個別サイトを運営する場合、各サイトで管理画面のURLやログイン情報が異なるため、確認作業に時間がかかります。サイトごとにパスワードを変えていれば、ログイン情報の管理もより複雑になります。
また、バックアップの状況やセキュリティ対策の実施状況を確認する際も、すべてのサイトを個別にチェックしなければなりません。
サイト数が増えるほど管理の手間が増え、見落としも発生しやすくなります。
サイト管理方法の判断基準
マルチサイトと個別サイト、どちらを選ぶべきかは運営目的やサイトの性質によって変わります。
本章では、それぞれ適しているケースを具体的に紹介します。自身の運営スタイルに当てはまる項目が多い方を選ぶのがおすすめです。
マルチサイトが向くケース
マルチサイト化は、以下のような条件に当てはまる場合に適しています。
- 全サイトで共通のプラグインを使用する
- 運営にかかるコストを最小限に抑えたい
- サイトの売却や他サーバーへの移転を考えていない
- 短期間で新しいサイトを立ち上げなければならない
- 複数サイトの運営目的が同じ、または近い関係にある
具体的には、企業グループで複数の事業部サイトを一元管理したい場合や、複数の店舗を運営しており各店舗のサイトを統一して運営したい場合に向いています。
同じフォーマットで効率的に複数サイトを展開できるため、管理にかかる負担を減らしながら、スピーディーにサイト数を増やすことが可能です。
個別のサイト管理が向くケース
個別サイト管理は、以下のような状況に適しています。
- 2つ目のサイトの運営目的がまったく異なる
- 将来的にサイトの売却や移転を考えている
- 契約しているサーバーのスペックに余裕がない
- サイトごとに異なるテーマやプラグインを導入したい
個別サイト管理では、販売するものによって運営目的が異なるECサイトなどが向いているといえます。
また、サイトを育てて売却することを視野に入れている場合、個別管理の方が資産として扱いやすくなります。自由度と将来性を重視する方に最適な選択といえるでしょう。
ECサイトの構築に欠かせないカート機能を自社サイトに追加したい方は、以下の記事を参考にしてください。
メーカーの公式サイトやクリエイターのホームページには、オンラインで買い物ができるショッピング用のページがあるのをよく見かけますよね。これはカート機能と呼ばれるものですが、実は自分のホームページやブログにも無料で簡単に追加で[…]
複数サイト運営時に行うべきセキュリティ対策
複数のサイトを運営する場合、セキュリティ対策の重要性は高くなります。1つのサイトが攻撃を受けると、他のサイトにも影響が及ぶ可能性があるためです。
本章では、複数サイトを安全に運営するために必ず実施すべき3つの対策を紹介します。
バージョン管理とアップデートを怠らない
WordPress本体やプラグインのバージョンが古いままだと、サイバー攻撃の対象になりかねないため、バージョンは常に最新の状態を保ってください。
古いバージョンのまま使い続けることは、セキュリティ上の脆弱性が放置された状態となるため危険です。アップデートの通知が来た際は、可能な限り早く対応しましょう。
また、複数サイトを運営している場合、1つのサイトの更新漏れが他のサイトへの侵入口になる危険性もあります。定期的にすべてのサイトのバージョンをチェックする習慣をつけることが大切です。
プラグインは必要最低限にする
プラグインにはそれぞれ脆弱性が潜んでいる可能性があるので必要最低限にしましょう。プラグインを多く追加するほど、セキュリティリスクが高まる傾向にあります。
また複数のプラグインを同時に使用すると、プラグイン間の相性の問題で予期しないエラーや動作不良が発生することもあります。
同じ機能を持つプラグインを複数インストールしていたり、長期間使っていないプラグインが残っていたりする場合は削除して、サイトが攻撃されるリスクを減らしましょう。
WordPressのバックアップを定期的に取得する
定期的にバックアップを取っておけば、サイトがハッキングされたり予期せぬトラブルが起きた場合でも、正常な状態に復元が可能です。
万が一、バックアップがない状態で攻撃を受けると、サイトの復旧に膨大な時間がかかったり、最悪の場合は完全に失われたりする恐れがあります。
手動でバックアップを取る方法もありますが、自動バックアップ機能を持つプラグインを使うことで、設定した間隔で自動的にデータを保存してくれます。
複数サイトを運営している場合、各サイトのバックアップスケジュールを設定しておけば、管理の手間を大幅に削減できるでしょう。
初心者でバックアップの取り方がわからない方や、自動バックアップ機能を持つプラグインを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
WordPressのサイトは、思わぬトラブルで一瞬にして画面が真っ白になったり、ログインできなくなったりと壊れてしまうことがあります。 また、外部からの不正アクセスによりサイトが勝手に書き換えられる可能性もゼロではありません。その[…]
WordPressで複数サイトの運営を成功させるコツ
複数サイトを効果的に運営するためには、戦略的な計画と継続的な改善が欠かせません。
本章では、複数サイトの価値を最大化し、長期的に成果を上げるために押さえておくべき2つのポイントを解説します。
サイトごとの目的とターゲットを明確にする
サイト構築前に必ず各サイトの目的とターゲット読者を明確に設定しましょう。複数のサイトを運営する際、もっとも注意すべきなのがコンテンツの重複です。
似たような内容の記事が異なるサイトに存在すると、検索エンジンから低品質なコンテンツと判断され、SEO評価が下がる恐れがあります。
例えば、ダイエット関連の2つのサイトで同じような商品レビュー記事を掲載してしまうと、どちらも検索結果で上位表示されにくくなります。
目的とターゲットが明確になれば、自ずとサイトの差別化が図れるでしょう。
アクセスを分析し定期的に改善する
各サイトのアクセス状況を定期的に解析し、SEO効果やコンバージョン率（目標達成率）をチェックしましょう。
Google Analyticsなどの分析ツールを使えば、どのページが読まれているか、どこから訪問者が来ているかといった詳細なデータを取得することができます。
データを把握して、サイトの見直しや構成の改善が必要なタイミングを判断しましょう。
また、分析結果をもとに改善を重ねることでサイト全体の質が向上し、検索エンジンからの評価が高くなる可能性があります。
複数サイトを運営している場合、定期的に全サイトのデータをまとめて確認する時間を設けるとよいでしょう。取得したデータの詳しい分析方法については、下記の記事を参考にしてください。
「ブログ運営に欠かせないGoogleサーチコンソールの設定から使い方までを解説」の記事にて基本的な操作やチェックするべき項目とデータについては一通り紹介しました。 この記事では、実際にGoogle Search Console（以[…]
まとめ
WordPressで複数サイトを作る方法は、新規ドメイン作成・サブドメイン作成・サブディレクトリ作成の3種類があります。
管理方法はマルチサイトと個別サイト管理に分けられ、マルチサイトは一括管理による効率化がメリットですが、サーバー負荷やカスタマイズ制限のデメリットがあります。
個別サイト管理は柔軟性と安定性に優れる反面、更新作業の手間や費用増加が課題です。
運営目的やサイトの性質に応じて適切な方法を選択し、バージョン管理やバックアップなどセキュリティ対策を徹底して、複数サイト運営を成功に導きましょう。
