Hermes Agentの安全性は?セキュリティリスクと対策を初心者向けに解説
Hermes Agentを使ってみたいけれど、セキュリティが心配で踏み出せない。自分のPCやサーバーでAIエージェントを動かすとなると、「勝手にファイルを消されたらどうしよう」「APIキーが漏れないか」といった不安が頭をよぎるのではないでしょうか。
結論から言えば、Hermes Agentにはセキュリティ対策がいくつも用意されています。ただし、設定次第でリスクの大きさは変わります。この記事では、具体的にどんなリスクがあるのか、それに対してどんな対策が用意されているのかを整理します。
- Hermes Agentはファイル操作やコマンド実行の権限を持つため、通常のチャットAIより注意が必要
- 公式の7層防御で危険な操作を多重に防ぐ仕組みが組み込まれている
- Dockerバックエンドや承認モードなど、設定で安全性を高められる
- セキュリティ設定に不安があればマネージドサービスで運用負担を減らす選択肢もある
Hermes Agentは安全?知っておきたい前提

安全機能はあるが、設定次第でリスクは変わる
Hermes Agentは、AI研究組織のNous Researchが開発したオープンソースのAIエージェントです。Hermes Agentの公式ドキュメントには「Security」のページがあり、7つのセキュリティ層が定義されています。
ただし、初期設定のまま使うと十分な防御にならないケースがあります。安全機能が備わっていることと、それが正しく有効になっていることは別の話です。
通常のチャットAIとは異なり、操作権限を持つAIエージェントである
ChatGPTやClaudeのようなチャットAIは、基本的には会話のやり取りが中心です。一方、Hermes AgentはPC上のファイルを直接操作したり、ターミナルでコマンドを実行したり、Webを閲覧したりと、自律的に作業をこなせます。
この「実際に操作できる」点が便利さの源泉であり、同時にセキュリティリスクの原因でもあります。だからこそ、どんなリスクがあるのかを先に把握しておくことが大切です。Hermes Agentの読み方や基本的な特徴、何ができるのかを先に押さえておきたい方はHermes Agentとは?読み方や3つの特徴・できることをわかりやすく解説をご覧ください。
Hermes Agentで注意したい具体的なセキュリティリスク

ローカル環境で実行するとホストに影響する可能性がある
Hermes Agentをローカル(初期設定)で動かすと、エージェントが実行するコマンドはユーザーのPC上で直接動きます。誤ったコマンドが実行された場合、ホスト側のファイルやシステムに影響が及ぶ可能性があります。
Dockerなどのコンテナを使えば、実行環境をユーザーのPC本体から分離できます。ただし、コンテナに共有したディレクトリや認証情報にはアクセスできるため、何を共有するかは事前に確認しておく必要があります。
APIキーや認証情報を扱う場面では漏洩リスクに注意する
Hermes AgentはLLMのAPIキーを使って動作します。設定ファイルや環境変数に保存したAPIキーが、スキルの実行中やログ出力を通じて意図せず露出するリスクがあります。
この対策として、Hermes Agentには環境変数のフィルタリング機能が実装されています。スキルが必要とする変数か、設定で明示的に許可した変数だけがエージェントに渡され、それ以外は遮断されます。
YOLO modeや承認オフ設定は危険な操作を見落としやすい
Hermes Agentの承認モードには3種類あります。
- manual:すべての操作で毎回ユーザーの承認を求める
- smart:補助LLMがリスクを評価し、低リスクの操作は自動承認する
- off:安全チェックを無効化する
offモードやYOLOモードを有効にすると、危険なコマンドも承認なしで実行される場面が増えます。rm -rf /やfork bombといった明らかに危険な操作はハードライン規制で常にブロックされますが、それ以外の操作は素通りするため注意が必要です。
GitHub Issueで指摘されたセキュリティ課題も確認しておく
Hermes Agentはオープンソースのため、第三者によるセキュリティ監査が行われています。Hermes AgentのGitHubリポジトリで公開されているIssue #7826では、危険なコマンドを検知する仕組みをすり抜けられる可能性や、エージェントが読み取ることができるファイルの範囲が広すぎるなど、複数のセキュリティ上の懸念と推奨策が公開されています。
このIssueは2026年6月時点でまだOpenのため、すべての指摘が対応済みとは限りません。関連するセキュリティ修正は進んでいますが、利用する際はIssueの最新状況を確認しておくことをおすすめします。
課題がオープンに公開され、対策が議論されていること自体が、オープンソースの透明性の強みです。
Hermes Agentのセキュリティを支える主な仕組み

リスクがあるとわかったところで、Hermes Agentがどのような仕組みで安全性を確保しているのかを見ていきます。
危険なコマンドを止める承認ゲート
危険なコマンドの実行前に、ユーザーの承認を求める仕組みが組み込まれています。承認の待ち時間はデフォルトで60秒。応答がなければ自動で拒否されます。
公式ドキュメントには「Hardline Blocklist」と呼ばれる常時有効のブロックリストがあり、rm -rf /やfork bombなどの明らかに危険なコマンドは、どの承認モードでも実行できない仕様です。
影響範囲を抑えるコンテナ隔離
Dockerを使うと、エージェントが実行するコマンドは、コンテナ内で動作します。コンテナ起動時には権限が最小限に絞られ、新たな権限の取得も制限されます。
公式ドキュメントではDocker以外にもSSH、ローカルなど複数の実行先が用意されています。バックエンドによってエージェントのコマンドがどこで実行されるかが変わるため、用途に応じて選択できます。
利用者を制限するallowlistとDM Pairing
Discord・Telegram・Slackなどのゲートウェイ経由で使う場合、エージェントとやりとりできるユーザーをallowlistで制限できます。デフォルトでは全ユーザーが拒否される設定です。
個人認証にはDM Pairingという仕組みがあり、許可されていないユーザーがbotにDMを送ると、8文字のコードが発行されます。管理者がそのコードを承認すると、そのユーザーがbotを利用できるようになります。コードの有効期限は1時間で、認証の失敗が重なるとロックがかかります。
APIキー漏洩を防ぐための環境変数のフィルタリング機能
前述のとおり、明示的に許可した環境変数だけがエージェントに渡される仕組みです。.envに保存した認証情報がうっかり流出する事態を防ぎやすくなっています。
プロンプトインジェクションを検知
プロンプトインジェクションとは、AIに悪意のある命令を紛れ込ませる攻撃のことです。Hermes Agentでは、コンテキストファイルを読み込む前に、不審な指示や認証情報の読み取り、外部送信につながる内容がないかを検知する仕組みが実装されています。
ただし、プロンプトインジェクションを完全に防ぐことは現時点ではどのAIエージェントでも難しいため、Dockerなどの分離された環境、権限を絞った設定などを組み合わせて運用することが重要です。
Hermes Agentを安全に使うための設定ポイント

仕組みを理解したうえで、実際にどの設定を確認すればいいのかを整理します。ここで触れる設定は~/.hermes/config.yamlなどのファイルを編集して行います。インストールや初期セットアップがまだの方は、先に【Windows/Mac別】Hermes Agentのインストール手順|必要なものから最短セットアップ・注意点まで徹底解説で導入を済ませておくとスムーズです。
承認モードはmanualを基本にする
approvals.modeをmanualに設定しておくと、操作のたびに承認を求められます。エージェントが何をしているかを把握しやすく、初めて使う方にはこのモードがおすすめです。慣れてきたらsmartに切り替えると、低リスクの操作を自動で通せます。
Dockerなどの隔離バックエンドを使う
設定ファイルのterminal.backendを”docker”に切り替えると、実行環境がDockerコンテナに変わります。ローカル環境で実行する場合に比べて、PC本体への影響範囲を大幅に限定できるため、最初に検討したい設定です。
allowlistで操作できるユーザーを限定する
ゲートウェイ経由で使う場合は、allowlistで操作できるユーザーを絞っておきましょう。必要なユーザーだけを許可リストに追加する形です。
APIキーやマウントするファイルを必要最小限にする
Dockerコンテナに渡す認証情報やフォルダは、タスクに必要な最小限にとどめてください。不要なファイルやキーを渡さないだけでもリスクを減らせます。
YOLO modeやallow-allは安易に使わない
approvals.mode: offやallow-all設定は、信頼できるローカル環境でのみ使うようにしてください。本番環境や外部からアクセスできる環境では、必ず承認モードとallowlistを有効にしておきましょう。
セルフホストとマネージドサービスはどちらが安全?

セルフホストは自由度が高い一方で設定責任も大きい
自分のサーバーでHermes Agentを動かす場合、Docker隔離、承認モード、allowlist、環境変数管理、アップデートの適用まですべて自分で設定・維持する必要があります。自由度は高いですが、設定を間違えるとリスクが残ります。
マネージドサービスは環境構築や更新の負担を減らしやすい
マネージドサービスを使うと、セキュリティ設定やサーバーの運用を自分で管理する必要がなくなります。Hermes Agent本体のセキュリティ機能は同じですが、設定ミスによるリスクを減らせる点でメリットがあります。
重要データを扱う場合は運用範囲を事前に決める
どちらの方式でも、エージェントにどこまでのアクセス権限を与えるかを事前に決めておくことが大切です。機密性の高いファイルやシステムにはアクセスさせない運用ルールを設けておくと、万が一の影響を最小限にできます。
Hermes Agentをより安心して始めるならロリポップAIエージェントクラウド
ブラウザだけでHermes Agent環境を作成できる
ロリポップAIエージェントクラウドは、国内のマネージドサービスのなかで初めてHermes Agentに正式対応したサービスです。サーバーの構築やOS設定は不要で、ブラウザから申し込むだけで使い始められます。
ユーザーごとの独立サーバーや自動更新に対応している
ユーザーごとに独立したサーバー環境が割り当てられるため、他のユーザーの操作が影響することはありません。セキュリティアップデートの適用も自動で行われます。
月額1,200円で利用でき、お試し用のLLM枠も付属しています(最新の料金は公式サイトで確認してください)。対応チャットアプリはDiscord、Telegram、Slackです。
セキュリティ設定に不安がある初心者に向いている
Docker隔離やallowlistの設定を自分で管理する自信がない方にとって、セキュリティ設定済みの環境がすぐに使えるのは大きな安心材料です。
まとめ
この記事のポイントを振り返ります。
- Hermes Agentはファイル操作やコマンド実行ができるため、通常のチャットAIよりセキュリティへの注意が必要
- 承認ゲート、コンテナ隔離、allowlistなど7層の防御が組み込まれているが、設定しなければ機能しない
- 承認モードをmanualにする、Dockerバックエンドを使う、allowlistでユーザーを絞る、の3つを最低限押さえる
セキュリティのリスクを知ったうえで適切に設定すれば、Hermes Agentは安全に活用できるツールです。
ロリポップAIエージェントクラウドなら、セキュリティ設定が整った状態のHermes Agentをすぐに試せます。
よくある質問
Hermes Agentは安全に使えますか?
7つのセキュリティ層が組み込まれており、承認ゲートやDockerバックエンドを適切に設定すれば安全に利用できます。ただし初期設定のままでは十分でない場合があるため、この記事で紹介した設定ポイントを確認してください。
Hermes Agentは勝手に危険なコマンドを実行しますか?
承認モードを有効にしておけば、危険なコマンドの実行前にユーザーの承認を求めます。rm -rf /やfork bombなどは、どのモードでも実行できない仕様です。ただしoffモードでは承認なしで操作が進むため注意が必要です。
Dockerを使えば安全ですか?
Dockerを使うとホストへの影響範囲を大きく限定できます。ただしコンテナに共有したファイルや渡した認証情報にはアクセスできるため、必要最小限のファイルだけを渡すようにしてください。
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