AIエージェントの作り方|ノーコードから自前構築まで難易度別に解説
- AIエージェントの作り方はノーコード・フレームワーク・エージェント製品の3ルートがあり、スキルと目的で選ぶ
- どのルートでも共通する作り方の5ステップは「目的決め→ツール選び→設計→テスト→改善」
- サーバーの用意が面倒なら、マネージドサービスでエージェント製品をすぐ動かす方法もある
AIエージェントの作り方を調べてみたものの、ノーコードツール、Pythonフレームワーク、OSSのエージェント製品と選択肢が多く、どこから手をつければいいのかわからない。そんな状況に覚えはないでしょうか。
選択肢が多いぶん、自分に合った入り口を選べるということでもあります。ここでは作り方を3つのルートに整理し、共通する5ステップの手順からおすすめツール・製品まで、迷わず進められるように解説します。
AIエージェントとは
AIエージェントは、与えられた目標に向かって自分で判断しながらタスクを実行するAIの仕組みです。
たとえば「来週の会議資料をまとめて」と頼むと、必要な情報をWebから集め、データを整理し、資料の下書きまで一連の流れで進めてくれます。従来のチャットAIが一問一答で止まるのに対し、AIエージェントは複数のステップを自律的につないで結果を出せるのが特徴です。
仕組みを大まかに分けると、LLM(大規模言語モデル)が頭脳、外部ツールが手足、メモリが記憶。この三要素が連携して動いています。仕組みや種類の詳細は別記事で掘り下げる予定なので、ここでは「作り方」に絞って進めます。
AIエージェントを作る3つの方法
AIエージェントの作り方は、大きく3つのルートに分かれます。プログラミング経験や目的に応じて、自分に合った入り口を選びましょう。
ノーコードツールで組み立てる
プログラミングは一切不要。画面上でフローをつなぐだけでAIエージェントを構築できます。DifyやChatGPTのGPTs、Microsoft Copilot Studioなどが代表的なツールです。
「まず試してみたい」「社内にエンジニアがいない」という場面で最も始めやすい方法ですが、ツール側が用意した範囲でしか動かせないため、複雑な処理や独自の連携には限界があります。
フレームワークでコードを書く
PythonやTypeScriptでエージェントのロジックを自作する方法です。LangChain、CrewAI、Mastraなどのフレームワークを使うと、ツール呼び出しやメモリ管理の実装を効率よく進められます。
自由度が高く、業務に合わせた細かいカスタマイズができる反面、Python等の開発経験が前提になります。既存システムとのAPI連携や、複数エージェントの協調動作を組みたい場合に向いています。
エージェント製品をそのまま動かす
3つ目は、すでに完成されたOSSのAIエージェント製品をインストールして動かす方法です。「作る」というより「選んで始める」に近い感覚で、すぐに動くAIエージェントを手に入れられます。
代表的な製品にはOpenClaw、NanoClaw、Hermes Agentがあります。いずれもオープンソースで公開されており、メッセージングアプリと連携させて日常的なタスクを任せられます。プログラミング経験がなくても、セットアップスクリプトに沿って進めれば動かせる製品もあります。
3つのルートを比較すると
| 比較項目 | ノーコード | フレームワーク | エージェント製品 |
|---|---|---|---|
| 難易度 | 低い | 高い | 中くらい |
| 自由度 | ツールの範囲内 | ほぼ自在 | 製品の設計に沿う |
| 必要スキル | なし | Python等 | ターミナル操作 |
| 費用感 | 無料〜月数千円 | API利用料 | 本体無料+API利用料 |
| 始めるまで | 数分〜数時間 | 数日〜 | 数十分〜数時間 |
「迷ったらまずノーコードで触ってみる → 物足りなくなったらフレームワークかエージェント製品へ」という順番で試すのがおすすめです。
AIエージェントを作る前に決めておくこと
ツールを触り始める前に、2つだけ整理しておくとスムーズです。
AIに任せたい作業を書き出す
「何を自動化したいか」を、手順レベルまで分解して書き出します。
たとえば「問い合わせ対応を任せたい」なら、「①メールを受信する → ②内容を分類する → ③定型の回答案を作る → ④人がチェックして送信する」のように分けます。どこからどこまでをAIに任せ、どこで人が判断するかの線引きが見えてきます。
自分に合ったルートを選ぶ
書き出した作業の複雑さと、自分のスキルを照らし合わせてルートを決めます。
- 定型的なフローを自動化 → ノーコード
- 複数システムのAPI連携や独自ロジック → フレームワーク
- すぐ使えるAIアシスタントが欲しい → エージェント製品
1つに決める必要はありません。ノーコードで試作してから、本格運用でフレームワークに移すケースもあります。
AIエージェントの作り方5ステップ
どのルートでも共通する、作り方の大枠です。
ステップ1. 目的とやらせたい作業を決める
前のセクションで書き出した「任せたい作業」から、最初に取り組む1つを選びます。いきなり大きな業務を丸投げするのではなく、成否がわかりやすい小さな作業から始めるのがコツです。
「毎朝のニュースを3行にまとめてSlackに投稿する」「見込み顧客リストから条件に合う企業を抽出する」くらいの粒度が最初の一歩に向いています。
ステップ2. ツール・製品を選ぶ
選んだルートに応じて、具体的なツールを決めます。
- ノーコード → Dify、ChatGPT GPTs、Copilot Studio
- フレームワーク → LangChain、CrewAI、Mastra
- エージェント製品 → OpenClaw、NanoClaw、Hermes Agent
この記事の後半「おすすめのツール・製品」で、それぞれの特徴をまとめています。
ステップ3. プロンプトとワークフローを設計する
AIエージェントにどう動いてほしいかを、プロンプト(指示文)とワークフロー(処理の流れ)で設計します。
ポイントは「やるべきこと」と「やってはいけないこと」の両方を書くことです。AIは指示にないことを自己判断で進めてしまう場合があるため、「顧客の個人情報は外部サービスに送らない」のような制約も明示しておきます。
ステップ4. 小さく動かして試す
いきなり本番に投入せず、テストデータで動かして結果を確認します。
チェックするのは「期待通りの出力が出るか」だけではありません。想定外の入力が来たときにエラーで止まるか、それとも間違った方向に突き進むかを見ておきます。とくにメール送信やデータ更新など外部に影響する操作を含む場合は、テスト段階で人の承認を挟む仕組み(Human-in-the-Loop)を入れておくと安心です。
ステップ5. 運用しながら改善する
AIエージェントは「作って終わり」ではありません。実際の業務で使い始めると、プロンプトの調整が必要な場面や、ワークフローに足りないステップが見つかります。
週に一度、出力結果を振り返って精度を確認する。その繰り返しが、使えるエージェントへの最短ルートです。
エージェント製品をすぐ動かしたいなら、次の「おすすめのツール・製品」へ。
おすすめのツール・製品
3つのルートそれぞれの代表的なツール・製品を紹介します。
ノーコード
- Dify:オープンソースのノーコードプラットフォーム。ドラッグ&ドロップでワークフローを組め、RAG(外部知識の検索)にも対応
- ChatGPT GPTs:OpenAIのChatGPT上でカスタムエージェントを作成できる機能。Web検索やファイル分析の組み込みツールが使える
- Microsoft Copilot Studio:Microsoft 365との連携に強い。Teams上での社内チャットボット構築に向いている
フレームワーク
- LangChain:PythonとTypeScriptに対応した定番フレームワーク。ツール呼び出しやRAGの構築まで一通りカバーする
- CrewAI:複数のAIエージェントに役割を割り振って協調動作させるマルチエージェントフレームワーク
- Mastra:TypeScript製で、フロントエンド開発者にとって馴染みやすい設計
エージェント製品
- OpenClaw:自分のPCで動かせるオープンソースの自律型AIエージェント。定期実行やスキル拡張に対応し、Discord・Slackなどのチャットアプリから操作できる
- NanoClaw:OpenClawに対する軽量な代替として生まれた独立プロダクト。コンテナ隔離によるセキュリティの高さが特徴で、WhatsAppやTelegramなど13種類のアプリと連携する
- Hermes Agent:AI研究組織Nous Researchが公開するオープンソースAIエージェント。やり取りからスキルを蓄積し、使うほど自分仕様になる設計
エージェント製品は本体がオープンソース(無料)ですが、動かすにはLLMのAPI利用料が別途かかります。費用感を知りたい方は「OpenClawの料金」「Hermes Agentの料金」の記事も参考にしてください。
マネージドサービスで手軽に動かす
エージェント製品を自分のPCで動かすには、DockerやNode.jsのセットアップが必要です。「サーバーの用意は面倒だけど、まず試したい」なら、マネージドサービスで始める選択肢もあります。
ロリポップAIエージェントクラウドは、OpenClaw・Hermes Agent・NanoClawの3つのエージェント製品に対応したマネージドサービスです。サーバー構築やDocker設定は不要で、ブラウザから申し込むだけでAIエージェントを動かせます。
マネージドサービスを使うメリット
- 設定の手間ゼロ:サーバー構築・OS設定・Dockerインストールは完了済み。申し込んだその日から使い始められます
- 月額1,200円:自前でVPSを借りるより手頃な価格です。お試し用の無料AI枠もあるため、APIキーを用意する前に動作を確認できます
- 日本語UI・日本円決済:海外サービス特有のハードルがなく、管理画面もすべて日本語で操作できます
3種類のエージェントをサーバー単位で切り替えられるため、「OpenClawとHermes Agentの違い」を実際に触りながら比べられます。
失敗しないための注意点
AIエージェント特有のつまずきポイントを挙げます。
ツール呼び出しのループに気をつける
AIエージェントはツールを呼び出す判断を自分で行うため、条件次第で同じ操作を延々と繰り返すことがあります。「最大5回まで」のような上限設定や、一定時間で停止する仕組みを入れておくのが基本的な対策です。ノーコードツールにはこうした制御が組み込まれている場合が多いですが、フレームワークで自作する場合は自分で実装する必要があります。
出力の「もっともらしい嘘」を前提にする
AIエージェントはLLMが自信を持って間違える(ハルシネーション)ことがあります。社外に出すメールや資料を任せるなら、最終チェックを人が行うフローは外せません。とくに数字・日付・固有名詞が入る出力は要注意。
APIキーの扱いを甘くしない
エージェント製品やフレームワークを使う場合、LLMのAPIキーを渡す必要があります。このキーが漏れると第三者に使われて予期しない課金が発生するリスクも。環境変数で管理する、コンテナ隔離で保護する(NanoClawはこの方式)など、キーを直接コードに書かない運用を徹底しましょう。
トークン消費を見積もっておく
AIエージェントは1つのタスクでLLMを何度も呼び出すため、チャットAIとは比べものにならないペースでトークンを消費します。「思ったより請求が来た」を避けるには、テスト段階でAPI利用料のダッシュボードを確認しておくこと。マネージドサービスなら無料AI枠で試せるため、コスト感を掴んでから本格運用に移れます。
まとめ
- AIエージェントの作り方はノーコード・フレームワーク・エージェント製品の3ルートがあり、プログラミング経験や目的で最適な入り口が変わる
- どのルートでも「目的決め → ツール選び → 設計 → テスト → 改善」の5ステップが基本の流れ
- エージェント製品ならOpenClawやNanoClawをインストールしてすぐ動かせる。サーバーの準備が面倒なら、マネージドサービスという選択肢もある
どれを選ぶか迷うなら、まずノーコードツールかマネージドサービスで小さく試してみるのが一番の近道です。ロリポップAIエージェントクラウドなら、サーバーの準備なしにAIエージェントを動かせます。
自分に合った方法でAIエージェントを味方につければ、繰り返しの業務から解放されて、もっと大事な仕事に集中できる時間が生まれます。
よくある質問
AIエージェントは初心者でも作れますか?
作れます。ノーコードツール(Dify等)なら画面上でフローを組むだけで完成しますし、エージェント製品ならインストールして動かすだけ。IT部門がなくても始められます。
プログラミングなしでどこまでできますか?
ノーコードツールなら定型業務の自動化やチャットボット構築まで対応できます。外部APIとの複雑な連携や独自のロジックを組みたい場合はフレームワーク(Python等)が必要になりますが、まずはノーコードで試作してから判断しても遅くありません。
AIエージェントを作るのにいくらかかりますか?
ツール本体はオープンソースなら無料です。ただしLLM(Claude、ChatGPT等)のAPI利用料が使用量に応じて発生します。マネージドサービスなら月額1,200円+API利用料が目安です(最新の料金は公式サイトでご確認ください)。
ChatGPTだけでAIエージェントは作れますか?
ChatGPTのGPTs機能を使えば、カスタムエージェントを作成できます。Web検索やファイル分析などの組み込みツールが使えますが、外部APIとの連携には制限があります。
AIエージェントとRPAはどう違いますか?
RPAは「決められた手順を正確に繰り返す」自動化です。AIエージェントは「状況に応じて自分で判断しながら進める」自動化で、事前にすべてのパターンをルール化しなくても動きます。
作ったAIエージェントが暴走しないか心配です
人が承認してから次のステップに進むHuman-in-the-Loop(人間参加型)の仕組みを入れることで、想定外の動作を防げます。NanoClawのようにコンテナ隔離でアクセス範囲を制限できる製品もあります。
スマートフォンからAIエージェントを使えますか?
エージェント製品によってはSlack、Discord、WhatsApp等のアプリ経由で操作できるため、スマートフォンからも利用可能です。OpenClawの公式アプリも提供されています。
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